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建設業許可上の技術者配置義務とは?

工事現場には技術者が必要です


 建設業の許可を受けている建設業者は営業所に必ず専任の技術者を有しているわけですが、実際の工事に当たっては、さらに工事現場ごとに技術者を置く必要があります(建設業法第26条)。



 公共工事の入札の場合、工事現場に技術者を配置できない建設業者は、入札の参加もできませんので、入札に先立ち一定の資格を有する技術者を確保しておく必要があります。



 なお、令和1年6月12日に公布された「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」により、主任技術者の配置義務が見直されました。



 主任技術者の配置義務の見直しをご参照ください。



主任技術者・監理技術者

 工事現場に置かなければならない技術者は、主任技術者または監理技術者です。



 主任技術者及び監理技術者は、建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあることが必要です。



 直接的な雇用関係を有していない場合とは、例えば在籍出向や派遣などが該当し、恒常的な雇用関係を有していない場合とは、例えば一つの工事の期間のみの短期雇用などが該当します。



 公共工事における元請の専任の監理技術者又は主任技術者については、所属建設業者から入札の申込のあった日(指名競争に付す場合にあって入札の申込を伴わないものにあっては入札の執行日、随意契約による場合にあっては見積書の提出のあった日)以前3ヶ月以上の雇用関係にあることが必要です。



 恒常的な雇用関係については、監理技術者資格者証の交付年月日、若しくは変更履歴又は健康保険被保険者証の交付年月日等により確認できることが必要です。



 また、雇用期間が限定されている継続雇用制度の適用を受けている者については、その雇用期間にかかわらず恒常的な雇用関係にあるものとみなされます。(監理技術者制度運用マニュアル二−四(1)(2)(3))



 主任技術者の資格は、一般建設業の営業所の専任の技術者と同一であり、監理技術者の資格は、特定建設業の営業所の専任の技術者と同一です。



 監理技術者、主任技術者のいずれを現場に置くかについては、発注者から直接建設工事を請け負い、4500万円以上(建築工事業の場合は7000万円以上)(R5.1.1金額要件の改正)を下請けに出して工事を施工するときは、監理技術者でなければならず、それ以外の場合は、主任技術者を置くことになります。


 なお、近年の工事費の上昇を踏まえ、建設業法施行規令(昭和31年政令第273号)について改正(令和4年11月8日公布、令和5年1月1日施行)により、次の改正が行われましたので、ご留意ください。

1)特定建設業の許可・監理技術者の配置・施工体制台帳の作成を要する下請代金額の下限
 改正前  4,000万円 (建築一式工事は 6,000万円)
 改正後  4,500万円 (建築一式工事は 7,000万円)

2)主任技術者及び監理技術者の専任を要する請負代金額の下限

 改正前  3,500万円 (建築一式工事は 7,000万円)
  改正後  4,000万円 (建築一式工事は 8,000万円)


3)特定専門工事の下請代金額の上限

  改正前  3,500万円
  改正後  4,000万円


専任の技術者が必要な工事

 上記のほか、さらに、以下のような公共性のある工作物に関する重要な工事については、工事現場ごとに専任でなければなりません。公共工事には、当然専任制が求められます。



 公共性のある工作物に関する重要な工事とは、請負代金額が4000万円(建築一式工事は8000万円)(※R5.1.1金額要件の改正)以上である次のものです。



(1)国・地方公共団体発注工事

(2)鉄道、道路、ダム、下水道等の公共土木施設及び発電所、ガス供給施設等の電気・ガス事業用施設に関する工事

(3)その他公共性のある施設または多数人の利用する施設に関する工事



 公共建築物、工事、集客施設、供給処理施設のほか、共同住宅も該当し、戸建住宅以外は、ほとんどが対象となっています。



 なお、ここでいう「専任」とは、他の工事現場に係る職務を兼務せず、常時継続的に当該工事現場に係る職務にのみ従事するという意味であり、必ずしも当該工事現場への常駐を必要とするものではありません。



 「常駐」とは、現場施工の稼働中、特別の理由がある場合を除き、常時継続的に当該工事現場に滞在していることを意味します。



 なお、平成29年8月9日建設業課長通達の平成30年12月3日改正(国土建第309号)において、技術者の継続的な技術研鑽の重要性と建設業の働き方改革の推進の観点から改正が行われ、技術研鑽のための研修、講習、試験等への参加、休暇の取得、その他の合理的な理由により専任の監理技術者等が短期間工事現場を離れることは、差し支えないことが明確化されました。



 ただし、適切な施工ができる体制を確保するとともに、その体制について元請の監理技術者等の場合は発注者、下請けの主任技術者の場合は元請又は上位の下請の了解を得ていることを前提となります。



 なお、令和1年6月12日に公布された「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」により、監理技術者の専任が緩和される予定です。



 監理技術者の専任の緩和(予定)をご参照ください。



監理技術者資格者証

 発注者が国・地方公共団体などの公共工事で専任の監理技術者を置かなければならない場合、監理技術者はさらに、監理技術者資格者証の交付を受けた人でなければなりません。



 監理技術者資格者証は、監理技術者の資格を有する人が一定の講習を受けた場合に交付を受けることができます。監理技術者資格者証の交付は、一般財団法人建設業技術者センターが行っています。





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