自己資本比率(X6)とは?Y点寄与度と良い傾向は?
自己資本比率は、経営事項審査の経営状況分析に使用されている8つの指標のうちの1つで、財務健全性指標として分類されています。
自己資本比率は、資産全体(=総資本)に対して返済する必要のない資金である自己資本の割合を見る指標で、次の計算式により算出されます。
( 自己資本 ÷ 総資本 ) × 100
一般的に健全性分析の中核に位置付けられる比率であり、この数値が高いほど財務内容は安定し、健全性が高くなると解釈されます。
しかし、利益率が金利より高い場合で、設備投資によって売上の増大を図れる見通しがあるのであれば、借り入れを行って必要な設備を調達し、より利益を獲得した方が良いという考え方もあります。このような場合は、一概に自己資本比率が高い方がよいとは言えず、自社が置かれた環境に応じた判断が必要です。
一般的に工場設備など多くの固定資産を必要とする製造業では、20%以上であることが望ましいとされています。しかし、それを鵜呑みにするのではなく、建設業は小規模企業が多く、工事を行うに当たっては前払金を受け取る業界慣習もあることから、他産業と比べ、金融機関から多額の借り入れを必要としないなどの事情を考慮する必要があります。
したがって、業界の平均値や上位25%目に位置する比率との比較で、自社がどのくらいの位置にあるのかによって、数値の良し悪しを判断する目安にすることができます。
ちなみに、(一財)建設業情報管理センターの平成28年度の調査によれば、業界平均で28.01%、上位25%目に位置する企業の比率は63.07%です。
良い傾向 |
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↑ |
Y点への寄与度 | 上限値 | 下限値 |
14.6% | 68.5 | −68.6 |
評点アップの着眼点としては、総資本に対する自己資本の割合を高めることです。
具体的に何を行えば改善するかを、こちらにまとめてみました。
(もちろん、これ以外にもやれることはあるはずです。)